いろいろなことに興味があり過ぎる問題点について

いろいろなことを興味の赴くままに

故事成語

宋襄の仁

『宋襄の仁』という言葉がある。 学研『国語大辞典』には「(敵に対する)不必要なあわれみ。無益ななさけ」とある。ちなみに、宋襄とは宋の襄公という人物のこと。 詳しくは後で述べるが、楚の成王が軍勢を率いて攻めてきたとき、楚軍が不利な状況にも関わ…

嚢中の錐

前回は、善人に見せかけた悪人の話と、人の本質を見抜くための方法をそれぞれ上げてみたが、人の才能を見抜く方法もある。 それは、実際に使って試す、というもの。これは現代でもよく使われる手で、その人とじっくりと話してその本性を見抜く、あるいは今ま…

寒食節と曹操

「寒食節」とは何か、に触れるまえに、晋の文公について触れておこう。 「晋の文公」とは誰か。『史記』や『春秋左氏伝』など、中国の春秋時代に興味のある人、あるいはひと昔前ならわざわざ説明する必要のない、子供の頃に学ぶ教養のひとつだったが、現代社…

衆怒は犯し難く、専欲は成り難し

『春秋左氏伝』襄公十年にある記述から一部抜粋。 鄭の子孔が戴書(盟約書)を作り、(中略)これに従わない者を処刑しようとした。子産はこれを止め、戴書を焼いて欲しいと言った。 子孔は言う。 「戴書で国を定めるのだ。多勢が怒るから焼くというのでは、…

キセル乗車

「駅に着いたら電車が来たので、慌てて飛び乗ったんですよ。だから切符が買えなかったんで」 「どこから乗りました?」 「名古屋です」 『キセル乗車』というのを目の当たりにした瞬間だった。 公的には『不正乗車』という表現が一般的だが、『キセル乗車』…

名もなき草

『名もなき草』と題して、名もない草に咲く花は美しく、美しいものはどこにでもあるものだと言ったのは小川未明である。 名家の生まれでなければ、気品が備わらないとは言えない。美術学校を出ていなければ、巧い絵が描けないわけではない。所作が行き届いて…