いろいろなことに興味があり過ぎる問題点について

いろいろなことを興味の赴くままに

中国史

宋襄の仁

『宋襄の仁』という言葉がある。 学研『国語大辞典』には「(敵に対する)不必要なあわれみ。無益ななさけ」とある。ちなみに、宋襄とは宋の襄公という人物のこと。 詳しくは後で述べるが、楚の成王が軍勢を率いて攻めてきたとき、楚軍が不利な状況にも関わ…

嚢中の錐

前回は、善人に見せかけた悪人の話と、人の本質を見抜くための方法をそれぞれ上げてみたが、人の才能を見抜く方法もある。 それは、実際に使って試す、というもの。これは現代でもよく使われる手で、その人とじっくりと話してその本性を見抜く、あるいは今ま…

人の本質を見抜く

孔子といえば、儒教(儒学)の祖と知られる人物として有名で、儒教の思想は東アジア一帯に二千年近くもの間、大きな影響を与え続け、孔子はその開祖として崇められた。 そのためか、孔子といえば高潔で高邁、理想的な聖人君子のように思われがちだが、そこに…

寒食節と曹操

「寒食節」とは何か、に触れるまえに、晋の文公について触れておこう。 「晋の文公」とは誰か。『史記』や『春秋左氏伝』など、中国の春秋時代に興味のある人、あるいはひと昔前ならわざわざ説明する必要のない、子供の頃に学ぶ教養のひとつだったが、現代社…

衆怒は犯し難く、専欲は成り難し

『春秋左氏伝』襄公十年にある記述から一部抜粋。 鄭の子孔が戴書(盟約書)を作り、(中略)これに従わない者を処刑しようとした。子産はこれを止め、戴書を焼いて欲しいと言った。 子孔は言う。 「戴書で国を定めるのだ。多勢が怒るから焼くというのでは、…